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【必見】MV AGUSTAの購入を検討されているお客様へ③
こんにちは、タイラレーシング浜松店の栗原です。
すっかり間が空いてしまいましたが、MV AGUSTAの故障・トラブルの真相に迫るシリーズ③のご案内です。
③スタータークラッチについて
まず、今回のトラブル内容は3気筒エンジン搭載モデル限定のお話で、特に2013年~2018年の800CCモデルが中心です。
2021年以降のユーロ5モデルや4気筒シリーズには該当致しません。ご注意ください。
シリーズ①でお話ししましたバッテリーの管理とも関係するお話しで、MVアグスタの3気筒エンジンが675CCから800CCにアップデートされた2013~14年ごろから発生した始動不良問題。
当時は弊社でも明確な対応策が打ち出せず、多くのお客様にご迷惑をお掛けする事となりました。
この場を借りて、改めてお詫び申し上げます。
さて何が問題かと言うと、エンジン始動でセルモーターを回してクランキングするときに、クランキング速度が規定回転数に達せず始動できないという問題です。
根本はバッテリーが弱いことに起因して、セルモーターの力が足りず回転数が上がらないのがトラブルのスタートです。
この状態を何度も続けていると、最終的にはスタータークラッチにダメージがおよび、バッテリーの充電や交換をしても始動できなくなってしまいます。
セルモーターがキュルキュルキュルと元気よく回っていても、実際にはあと一歩回転が足りずに掛からない状態になっているケースがほとんどで、音などの感覚的な部分ではバッテリーが弱いと判断できず、セルを回し続けてスタータークラッチが滑る悪循環に陥ってしまいます。
(セルモーターを回し始める時の電圧降下が大きくなり、瞬間的に電装系の正常作動電圧を下回ることにより掛からなくなるケースもありますが、原因がバッテリーなのは同様です)
このスタータークラッチは問題が尾を引いて、発生件数は年々が少なくなりながらも対策で3回も部品に改良が加えられる結果となりました。
しかし、あくまでも問題のスタートはバッテリーの管理が原因であり、バッテリーのメンテナンス(定期充電と交換)が正確にできている場合では、800CCの初期型(2013年モデル)で既に10年経過、5万キロ6万キロ走行してもこの問題が発生していない方も多くいらっしゃいます。
繰り返しになりますが、バッテリーのメンテナンスだけは欠かさずにお願い致します。
*新車付属品のMVAGUSTA専用充電器
ここからは裏技です。
3気筒モデルのユーロ3や、ユーロ4以降のF3、SUPERVELOCEなどワイヤー式クラッチ搭載モデルでは、エンジンの始動性を上げる裏技的な掛け方があります。該当モデルのオーナー様は是非マスターしてください。
①キーONで、メーターの予備動作が終わるまで待つ。(これは裏技とは関係なく全モデル必要です)
②セルのボタンを押しっぱなしにする。
③クラッチレバーをゆっくり握っていき、セルモーターが回り始めたらそこでレバーの位置を止める。
安全対策でクラッチレバーを握らないとセルモーターが回らないようにできておますが、クラッチは切らない方が始動性が上がるため、セルモーターが回りだすギリギリだけクラッチを切るようにするのがポイントです。
(そのギリギリを見極めるために、先にセルボタンを押して、後からクラッチレバーを握っていきます。)
この方法により少ないクランキングでエンジンを掛かるようになり、スタータークラッチやバッテリーの負担を減らすことができます。緊急時(交差点内でエンストしてしまった時など)を除いては、この方法で始動してください。
尚、油圧クラッチを採用したモデルでは、もともとクラッチを握らなくてもセルモーターが回る仕様のため、この限りではございません。
クラッチを握らずにセルを回して始動してください。
トラブル関連のお話はひとまず今回で終了です。
まだまだお伝えしたい事はたくさんありますが、機会がございましたらまたご紹介いたします。
当店でMVAGUSTASをご購入頂くお客様には、取扱い上の注意点やトラブルの回避方法など、より詳しくご案内をさせて頂きます。
どうか安心してMVアグスタワールドの扉を開いてください。
その先にはMVAGUSTAでしか体験できない素晴らしい世界がきっとひろがっております。
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